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2009年4月の記事一覧

ネーミング批評(1) 「アデランス」を分析する
・・・「毛髪」の本質をとらえた秀作
ネーミング批評(2) JR(ジェーアール)を分析する
・・・心意気や庶民感覚が聞こえてこない
ことば批評 俳句「方丈の 大庇より 春の蝶」(素十)
・・・この句に見られる3つの技法
ネーミングの極意 「音相」とは何か
  ことばのイメージ研究の特殊性
・・・音相理論が目ざすもの
  「麻痺現象」という業病について
・・・批判されなくなったネーミングは要注意
  ネーミングの「分析・評価」を行います。
  音相理論の集大成版
「日本語の音相」および「ネーミングの極意」
をお分けします。

≪ネーミング批評(1)≫ 

「アデランス」を分析する
・・・「毛髪」の本質をとらえた秀作

髪の毛は五体の中でもっとも流動的で不安定な部位といえますが、それだけに情緒や感情が効果的に表現できる場所でもあるようです。

古くから、絵画や文学などで髪の毛が情感的な表現に多く使われているのを見ても、それが言えるように思うのです。

かつら販売など頭髪関係の商品を扱う「アデランス」という社名とブランド名が、毛髪自体がもつコンセプトをどのように表現しているかを見てみようと、音相分析をしてみました。

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アデランス

表情解析欄を見ると毛髪の情緒感やあいまい感を作る表情語、「非活性的、暖かさ、信頼感、高級感、優雅さ」に高点があり、情緒解析欄には「ためらい感、神秘感、不思議な感じ、あいまい感」など、それにふさわしい情緒語が多く出ているのがわかります。

また表情語の最高ポイント数を40.9と低目にとどめて個々の表情語がもつ煌(きら)びやかさを抑えたことが、この語の情緒感に大きく貢献していることがわかるのです。

さらに見落とせないのは、このような情緒性とは反対の、モダニズムを作る表情語「軽快感、躍動感、現代性、新鮮さ」を強く打ち出していて、現代感や躍動感が見事に表現されていることです。

この語が一般から好感をもたれているのは、「髪」に対する深い思い入れと、それを現代に結びつけた優れた音相感覚だったと思うのです。

まれに見る、傑作ネーミングといってよいでしょう。

≪ネーミング批評(2)≫ 

JR(ジェーアール)を分析する
・・・心意気や庶民感覚が聞こえてこない

アルファベットを並べただけのこの種のネーミングでも、「ジェーアール」という音があるから「表情」が生まれ、それが会社のイメージとなって人々の中に定着します。

この音が人々にどんなイメージを伝えているかを見てみようと、音相分析をしてみました。

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ジェーアール

表情語欄を見ると、高尚さや存在感を作る「安定感、高級感、暖かさ、優雅さ」などの表情語が並び、情緒解析欄からはそれを裏付けるように「長期的、穏やかさ、夢幻的、大らかさ」などが出ていて、公共企業「国鉄」が長年持ってきた雰囲気や体質を、イマ風の音を使って表現した語であることがわかります。

だが、この語を初めて聞いた多くの人が、何とはない物足りなさを感じたのではないでしょうか。

それはこの語の音から、民間会社に生まれ変わった心意気や庶民意識などが聞こえてこないからなのです。

分析表を見ると、それが明白に取出されているのがわかります。

これらのイメージを表現するには、表情語欄の「庶民性・躍動感・新鮮さ・活性感・個性的・明るさ・爽やかさ・健康感・強さ」などの項が高点がでなければなりませんが、この語ではこれらがすべてゼロ・ポイントになっています。

音相分析は、ことばが伝えるイメージをこのような極微のものまで取出しますが、それが生まれた原因も「有効音相基欄」が捉えます。

この語の場合はその原因が次のところにあったことを示しています。

(1) 有声音が多いこと・・・ 有声音と無声音の割合は、拍数対比で53:47%が標準ですがこの語はすべての音(100%)が有声音です。有声音が多いと語全体に安定感や優雅さが生まれますが同時に活性の低さや、暗いイメージを伝えます。
(2) 調音種比が低いこと・・・ 喉頭音や破裂音などを調音種といいますが、調音種の種類が少ない語の場合、活性感の弱さや片よったイメージを作ります。調音種の種類の数は、5拍語では4音種が標準ですが、この語の場合は3音種しかありません。
(3) 逆接拍が多いこと・・・ 逆接拍とは、子音と母音の明るさが+と-の反対方向を向く拍(音節)をいいます。標準は拍数対比で23%ですが、この語では2拍(ジェとル)あり、40%を占めています。

≪ことば批評≫ 

俳句「方丈の 大庇より 春の蝶」(素十)
・・・この句に見られる3つの技法

方丈の大庇の暗がりから、艶(あで)やかに蝶が舞い降りてきた一瞬の景を詠んだ句です。

俳人、小林恭二氏はこの句について新聞(産経)の俳句欄で次のように述べています。

「なんと美しい言葉の流れだろう。ことに句の要所をしめる四つのハ行の音(は・ひ・は・ふ)には美と呼ぶべき何かが宿っている。それは詩というよりは音楽に近い。・・・」(原文)

小林氏が述べられた「・・・美と呼ぶべき何か」とはどういうものを言うのだろうか。

音相を分析すると、この句には次のような仕掛けがあるのに気づきます。

まず「蝶」をとりわけ印象づけるため、「他援効果」という手法を使っていることです。

他援効果とは、ある音を印象づけたいとき、その音の前後に反対方向のイメージをもつ音を配する手法をいう音相論の用語です。

ここでは、日本語の音節の中でもっとも明るく軽やかな響きを作る無声破擦拗音「チョ」(蝶)の音を印象づけるため、「チョ」と反対方向を向く暗く重たい「オ、ウ行音」を11音も入れていることです。これにより蝶の羽の鮮やかさが、ひときわ浮き出てくるのを感じるのです。

次に「長音」がすぐれた音相効果を上げていることです。

長音は事物が流れ動く(流動感)イメージを作りますが、それあg4音(ほー、じょー、おー、ちょー)も入ったことで、舞い降りてくる蝶の流れがビジュアルに伝わってくるのです。

三つ目は、小林氏も取り上げられた「ハ行音」の効果です。

小林氏は「4音あるハ行音には美と呼ぶべき何かが宿る」と述べていますが、その「何か」の実体は前号(3月号)で述べた「人の心を春に誘(いざな)う隠し味」だったのです。

だが前号で触れたように、春の隠し味はハ行音と同じ摩擦音であるサ、ヤ、ワ行音ももっています。

この句の場合、ハ行音では4音ですが、摩擦音と言えば「ホ、ジョ、ヒ、サ、シ、ヨ、ハ、チョ」の8音となります。

すなわち、音相論的にコメントすると「美と呼ぶべき何か」は、俳句17音の半分近くを占める摩擦音による「人の心を春へ誘う隠し味」だと言えるのです。

それを4音しかない「ハ行音」で感じ取られた小林氏の音相感覚の鋭さは、さすがというほかありません。小林氏が言われるようにそれは「詩というよりも音楽に近い」世界なのです。

このような音の面からことばの奥を覗(うかが)う解析法は、これまでその手掛かりすら得られなかったものですが、音相理論の出現で文芸評論やネーミングの制作などに新たな視点が生まれ、さまざまな謎が解明できるようになったのです。

≪ネーミングの極意≫ 

「音相」とは何か

「桜」という語を辞書で引くと、「野山に自生し、春さき薄紅色の花を咲かせる落葉樹、日本の国花」と出ています。

これは桜の概念(意味)を述べたものですが、そのような意味とは別に「明るさ、爽やかさ、穏やかさ、あでやかさ、大らかさ」のようなこの語をめぐる「イメージ」が伝わってきます。

意味は文字が中心で伝わりますが、このようなイメージは「音」によって伝わるので、音が伝えるイメージを「音相」と呼んでいます。

イメージは音によって伝わるため、意味が同じことばでも音が違えば違ったイメージが伝わります。

「青い海」という音からは、チューブから搾ったばかりの原色の青がイメージされますが、「ブルーの海」という音からは、黄色や赤などがまじった複雑な青の色がイメージされます。

「ピンク」と「桃色」は意味はどちらも同じですが、「ピンク」からは「明るさ、可憐さ、モダン」などが、「桃色」からは「穏やかさ、優雅さ」などが伝わります。そのため、赤ちゃんの頬を言うときは「桃色」とより「ピンク」というほうが、老人の頬は「ピンク」というより「桃色」のほうが、それぞれの頬の様子が実感的に伝わってくるのです。

このような音が伝える微妙な感覚は、日本人の誰もが同じような形で持つもので、それは日本人が先祖伝来受け継いでいる遺伝子のようなものといてもよいでしょう。

初対面の人と機微にわたる話ができたり、誰かが使った面白いことばがメディアの力を借りてアッという間に全国へ広がるなども、日本語を使う人々の間に「音相」という共通的な感性があるからだといえるのです。

ことばのイメージ研究の特殊性
・・・音相理論が目ざすもの

ことばが伝えるイメージは意味に劣らぬ働きをしていますが、日常語に含まれているイメージの研究は、言語関係の科学をはじめ、文芸やネーミングなどことばの実用分野でもまだまったく行なわれておりません。

言語学の「意味論」で、言語音が作るイメージを取り上げてはいますが、そこで対象となっているのは特徴的なイメージを作る一部の音素や音節だけに限られているし、表現が抽象的なため、実用されていることばに含まれるイメージを具体的なことばを使って解明するようなことはできません。

この種の研究はわが国でも、鎌倉時代に僧、仙覚が提唱し、江戸期の国学者、鴨真淵、本居宣長、橘守部などによって引き継がれた「音義説」というのがありました。

この説は、「アは顕わるるさま」、「サは清らかなるさま」など、日本語のすべての音節を対象にしていますが、「ア」の音を「顕わるるさま」「サ」を「清らかなるさま」のように限定的に定義づけているため、暗い意味をもつ「穴」という語に含まれる「ア」の説明はできないし、清らかさとは無関係な「がさがさ」の「サ」の説明はできないなど、現用されていることばのイメージを捉えることはできません。

これら諸説に見られる欠陥は、複雑な感覚的要素が含まれているイメージを、「音素」や「音節」という無機的な単位を使って解明しているところに基本の過ちがあったといえるのです。

音声学では日本語の音声を成り立たせている音の単位としてp、t、k、s、m、a、i、u、e、oなど28個の音素を用いますが、それらは音声の単位をとして捉えたものにすぎません。

しかしながら例えば、音素「t」は「破裂音・前舌音・無声音」(注)の組合せで作られています。

(注) 破裂音 ・・・ 破裂させて出す音
  前舌音 ・・・ 舌先を使って出す音
  無声音 ・・・ 声帯を振動させないで出す音

音素を成り立たせているこれらの単位を調音種といいますが、調音種にはそれぞれ感覚的要素が含まれるため、ことばのイメージを捉えるには調音種のレベルで捉えなければならなかったのです。

音相論では、調音種その他イメージを作る音の最小単位を「音相基」と呼んでいます。

音相基には調音種のほか濁音、無声化母音、順接拍、逆接拍、調音種比など40種がありますが、これらの音相基がもつイメージ(表情)を甲類表情と名づけています。

ことば(語)からイメージを取出すには、その語に含まれるすべての音相基とそれらの表情(甲類表情)を捉えたうえ、甲類表情同士の響きあいから生まれる表情(乙類表情)を捉え、さらに表情語の組合せが作る「情緒」を捉え、それらを総合することで初めてその語全体のイメージが捉えられるのです。

数年前、音相理論の一部を真似て作った解析法が書物やメールで流れたことがありました。

「濁音は子供が好む音」「”タ”は叩くイメージをつくる音」などと、個人の主観で単音のイメージを作り、それを用いてネーミングや姓名を判定するものですが、ことばのイメージはそんな単純な方法で捉えられるものでないことは以上述べた通りです。

イメージは、ことばの音を感覚要素が含まれる音相基の段階まで下げて初めて捉えられるものですが、このことは音相論が言語学、心理学、音声学などの言語科学に関わる部分と、文芸その他感性的分野との間(はざま)で成り立つものであることを意味します。

そこに、音相論の理論としての特異な立場と、奥の深さがあるのです。

音相論には感覚要素が含まれるため学問的な研究対象にはなりにくく、また文芸やネーミングなどことばの実用分野からは、取り組む対象の広さから積極的な対応がないまま置かれているのが現状です。

これは「ことばのイメージ」という特殊な研究が背負わねばならない宿命でもあるのです。

ことばのイメージを追ってゆくと、その先はほとんどカオスの霧に消えています。

ことば自体が、そのような本質をもっているのです。

このような認識なしに、ことばのイメージと取組むことはできないのです。

音相理論は、いわゆる学問の対象ではありませんが、ことばの実体を極めるうえで避けて通れない道なのです。

この理論の体系化に当たっては、「やまとことば」の音用的な解析に始まる試行錯誤の長い道のりがありましたが、そんな中から組み立てた法則を現代のことばに適応させると、遠い過去に思い描いたものに近いところまで到達できていることに気づくのです。

本稿の批評例などから、そのことがもしお汲取り頂ければ、私にとってこれにまさる幸せはありません。

「麻痺現象」という業病について
・・・批判されなくなったネーミングは要注意

あるネーミングに初めて出会ったとき、何となくギコチなさを感じたが、聞きなれてゆくにつれ、それが気にならなくなってゆくものす。

21年前、「平成」の元号が発表になった時、メディア各社が巷の声を報道していましたが、その内容は「平凡」、「明るさがない」、「新時代への期待や夢を感じない」などがほとんどで、「良い」と答えたのは極く少数の人でした。

当所でこの語を分析してみたら次の結果が現れました。

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へーせー

表情語欄を見ると、明るさや活力感をつくる表情語、「適応性、活性的、賑やかさ、シンプル、軽快感、清潔感」が控え目(低ポイント)で出ているが、夢や期待感を伝える表情語、「躍動感、進歩性、若さ、個性的、充実感」などはすべてゼロ・ポイントになっています。

また順接拍構成語であること(有効音相基欄)と、複雑度欄の「0」ポイントから、平凡でひらめきが感じられないうえ、「へーせー」の4音がすべて排他的で温もりが感じられない「エ」列音ばかりでできた語であるのがわかります。

メディアからの質問に、咄嗟に「ノー」と答えた現代人の音相感覚の高さに私は深く感銘したのですが、その3カ月後各社が行なった同じ内容の調査では、前回とは反対の「感じがよい」、「明るい」、「使いやすい」などがほとんどで、「良くない」は1つも見られませんでした。

ことばはこのように、最初にうけた印象が良くなくても、使い馴れて行くにつれ「さほど悪くない」から、「良い」にまで変わる習性があるのです。それは、元号や地名や会社名など日常多く使われることばほど早い時期に現われます。

この現象を音相論では「ネーミングの麻痺現象」と呼んでいます。

ネーミングにそんな習性があるのなら、当初にうけた不人気など気にするまでもないという見方もできますが、人々の頭の中で麻痺するのは表面的なものだけで、初めに感じた第一印象は潜在意識の奥にいつまでも留まって、マイナス方向に働き続けるものなのです。

このことは、東証第一部上場企業の中に「平成」を冠した社名が1社もないのを見てもわかります。

一部上場企業で元号名を冠した社名は「明治」5、「大正」3、「昭和」15社ありますが、会社の創立、合併、改称がとりわけ多発したこの20年間に「平成」を冠する社名が1社もないのを見ても、多くの人が発表時に抱いた「良くない」イメージが、人々の心の奥にそのままの形でに留まって、無言の拒絶をし続けているからです。

やや旧聞になりますが、レナウンという会社が「フレッシュ・ライフ」という名の防臭抗菌ソックスを売り出しました。

だが、品質が良いにもかわらず業績が伸びなかったので、ネーミングを「通勤快足」と改めたとたん、売上が9倍にも伸びました。

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フレッシュ・ライフ・通勤快足

「フレッシュ・ライフ」を分析すると、摩擦音と流音ばかりでできているため前掲の「平成」と同様、「明白な表情をもたない、印象不鮮明な語」であることがわかりますが、「通勤快足」は無声破裂音や破擦音を多用しているため「若さ、活力感、新鮮さ、明るさ」など目が醒めるような溌剌感のある語であることがわかります。

「フレッシュ・ライフ」は人の心を捉える要素をもたない無表情なことばなのに、使ってゆくうちに麻痺現象が働いて批判もないまま漫然と使い続けていたもので、この間、会社には莫大な不利益を与えていたのです。

ネーミングで常に配意していなければならないことは、「麻痺現象」の影響で批判されずにいるものを、好評のため批判がないと勘違いをすることです。

あらゆるネーミングが気づかぬうちにかかってゆく麻痺現象というこの業病が、企業に対し多大の損害を与えていることを、常に忘れてはならないのです。

ネーミングの「分析・評価」を行います。

音相システム研究所では、「ネーミング批評」欄に出ているようなネーミングの分析と評価を行なっています。

当初で行うことばやネーミングの分析評価には、次のような種類のものがあります。

(1) 個別評価 ・・・  「ネーミング批評」欄にあるような細密分析と、その根拠および対応策などをお示しするもの。分析に当たっては、スポンサーのご意向などを十分配慮しながら作業を進めます。
(2) 総合評価 ・・・  大量のネーミング案の中から優良案を短時間で取り出すもの。その商品等がもつコンセプトをあらかじめコンピューターに入力したうえ、大量案を入力し個々の案のコンセプト達成度を捉えたうえ、高点にある少数の案を前記(1)の「個別評価」で分析して優良作を提案するものです。
音相分析と評価の料金表
(1) 個別評価(本評価)
  1語(1分析) 30,000円
(2) ラフ評価
(注) 「ラフ評価」は総語数20語以上で、本評価語数5語以上の場合に行ないます。
・ラフ分析料 50語まで 1語 2,000円
  100語まで 1語 1,800円
  1,000語まで 1語 1,200円
  1,000語以上 1語 800円
・コンセプト調整費     70,000円
・本評価料   1語 30,000円

音相理論の集大成版
「日本語の音相」および、「ネーミングの極意」をお分けします。

「日本語の音相」(木通隆行著、小学館スクウェア刊、)および「ネーミングの極意」(同著、筑摩新書刊)はともに絶版となっていますが、当研究所にいくらか余部があるのでお分けいたします。本書の内容はこちら

郵便番号、住所、氏名、電話番号、冊数、誌名」をご連絡(こちら)にいただけば郵便小包でお送りします。

頒布価額(送料とも) ・・・ 「日本語の音相」 2,850円
  「ネーミングの極意」 1,000円

【読者の感想】

●詩歌の音楽性を明らかにした画期的快著

日本の伝統的詩歌において不毛だった音楽性の重要さを解明された画期的な研究です。俳句の実作者としても、深く琴線に触れるものがありました。

短歌や俳句の音韻面については、折口信夫の『言語情調論』などはあってもまだ不十分で、「調べ」という曖昧な概念から抜け出ておりません。先生の「音相理論」はそれを闡明されたものと考えます。

「俳句スクエア」代表、五島篁風 (医師)

●音相という素晴らしい世界を知りました

「日本語の音相」、深い感動をもって読みました。

音相を知らずに日本語の鑑賞や評論などできないことをしみじみ知りました。目の覚めるような感動でした。

(富山、日本語研究グループ hirai)

ネーミングの分析・評価を行います