音相マガジン

1月の記事

2006年01月25日(水)
「名前の音」がなぜ人の性格を作るのか?

  クラシック音楽だけを聞いて育った子は落ち着いた知的な子供に育ち、ポピュラー音楽の中で育った子は、活発で明るい子に育つと言われますが、日ごろよく聞く音の響きが人の性格や人柄などに影響を及ぼす例は少なくないようです。
  そういう中で影響力の強いものに「名前の音」があります。
  「太郎、太郎」と朝晩呼ばれて育つうち、「タロ−」という音が作る雰囲気やイメージがその人の雰囲気となり、イメ−ジとなり、やがて性格の中へ入ってゆくのは自然な成り行きといってよいでしょう。
  「名は体を表わす」といわれることばの意味がそこにあるのです。
  名前の音と性格の間にはそんな関係がありますから、 姓名の音(音相基)を分析すると、その人が基本に持っている性格が見えてくるのです。
  人の性格はその後の環境などでいろいろと変わりますが、幼少時身につけた基調的な性格は、ほとんど変わることなく存在し続けるもので、それは心理学的にも証明されているものです。
  生まれてきた子を「健康で明るい人に育てたい」と思ったら、そういうイメ−ジ(表情)を作る音相基の入った名前をつけてあげれば、高い確率で実現できるのです。
  赤ちゃんの名前をつけるとき、生年月日や字画などで運勢面を調べることも大事ですが、その子の生涯を大きく支配する性格を作る、名前の音相チェックは絶対忘れてならないことといえるのです。
 

2006年01月25日(水)
赤ちゃんのお名前案を分析します。

 音相システム研究所では、次の事項をアドレスへお送りいただくと、予定されている赤ちゃんのお名前案(案をお持ちの場合に限ります)を音相分析し価を添えてお答えします。

1.赤ちゃんのこと
    1) 赤ちゃんの苗字
    2) 男女別
    3) 赤ちゃんに期待する性格
      (箇条書きでなるべく詳しくお知らせください
    4) 赤ちゃんのお名前案(何件でもかまいません)

2.分析結果の郵送先
    1) 郵便番号
    2) ご住所
    3) あなたの氏名
    4) 電話番号

3.申し込み方法
   当研究所のお問い合わせフォームへ、1と2を記入してお申し込みください。

4.料金
    (1)分析料  1分析   2,500円
        (3案あるときは3分析となります)
    (2)代金引換料、為替料など 500円

5.料金支払い方法
   分析結果を代金引換郵便でお送りしますので、現物と引換えにお支払いください。

2006年01月25日(水)
「セレブ」はどんなイメージを伝えるか

  最近よく使われる「セレブ」ということば。英語の辞書を引くと
  「SELEBRITY・・・著名人、有名人、名士」とありこれが語源のようです が、雑誌などでは「美しく優雅なこと」、「知的な女性」、「金持ち」、「成金」、「ブランド品を身につける人」などの意味に使われていたろ、「セレブな 旅」のような意味不明のことばの中にも見られます
  私は時々この欄で「現代人は意味よりも音がつくるイメージを大事にする」
  と言っていますが、この語にはそういう現代語の素顔が見えるように思うのです。
  若者たちは、このような漠然としたことばを使って、意味よりもイメージを中心にコミュニケートしているように思います。
  そのイメージの核になるものに、どんなものがあるのか。
  それは音相分析をすると取り出されます。

  この語を分析したら、トップのところに次の表情語が現れました。

派手    75.0
シンプル  50.0
適応性   50.0
高級感   50.0
軽快感   40.9
動的    30.0
 
さらに、下位の部分で
優雅さ    9.1
個性的    0.0
があります。

はじめに述べたこの語がもつさまざまなイメージ、「派手、単純、適応性、高級感、軽快感、動感」や「非情緒的」「無個性的」などのすべてをこの分析表が捉えているのがわかります。
音相理論やその分析法の精度の高さがおわかりいただけるのではないでしょうか。

2006年01月25日(水)
コンセプトを正しく捉えた「ロハス」

 最近「ロハス」という言葉がメディアなどで時々見られるようになりました。
  Lifestyles Of Health And Sustainability
の頭文字をつなげたもので、「健康と環境を破壊しない生き方」をする人や、そういう行為をいうようです。
  大量生産、大量消費による環境破壊から目覚めた人たちの、精神運動といってよいでしょう。
  この語は長いことばの頭文字を機械的に拾っただけのものですが、そんなことばでも、この概念がもついろいろな意味を音相的に表現しているかどうかによって、この語が今後、どのぐらい市民権を得てゆくかがわかるのです。
  それはこの語の音相を分析することでわかります。

  表情語のトップの部分を高い順にならべてみると、
    清らか   87.5
    軽快感   40.9
    健康的   36.4
    静的    30.0
    安らぎ感  27.3
    安定感   27.3
    信頼感   27.3

があり、また情緒欄には
「情緒的」、「クラシック」、「純粋」、「素直」、「大らかさ」
が出ています。
  表情語の冒頭でポイント数が突出している「清らかさ」に続いて「軽快、健康、静的、安らぎ…」があり、さらに情緒欄の「情緒性、クラシック感、純粋さ、大らかさ」など、
当初に述べたこの運動のすべてをきわめて的確に表現したことばであるのがわかります。

2006年01月25日(水)
表情を作る音相基・シリーズ(5)

 「男らしさ、逞しさ」を作る音
 
【必要な音相基】
  ・無声破裂音系が多い
  ・調音種比が高い
  ・勁性値が高い
  ・子音拍が多い
  ・無声音が多い
  ・総合音価がプラス指向
  ・無声化母音がある
  ・高勁輝拍が多い
 
〔例語〕
  テキパキ、溌溂、活発、ラッキーストライク、サントリーオールド、パンチ、オリンピック、ペプシコーラ、シチズン時計、日立、コダック、三菱

(注) この例語にみられるように、これらの音相基は、明るさやたくましさを持つ語に多く使われますが、高級ブランド名や女性化粧品名など、ゴージャス感や優雅さ や奥行き感を表現した語に多く使うとイメージが壊れますし、響きが単調な音のため短期間で飽きられこともあるのです。

2005年12月21日(水)
Q&A

 Q.
  音相分析表の表情語に「つらい、苦しい、汚い、悲しい」などネガティブな意味のことばが入っていないのはなぜですか。(奈良市MAT)

A.
  ことばが作るイメージ(表情)には、「明るい」と「暗い」のように、ポジティブ(肯定またはプラス)な方向と、ネガティブ(否定またはマイナス)なものがありますが、次の2つの理由から、表情語にはポジティヴなことばだけを使うことにしています。

1、 ポジティヴとネガティヴをどこで区別するかの線引きは状況によって変わりますし、見方
    を変えればどちらにもなる場合が少なくないこと。
2、 表情語の中にネガティブな意味を持つ語が入ると、その語のインパクトの強さに囚われ
    てことば全体のイメージ把握に偏りが生まれる恐れがあること。

  たとえば人の名前を分析した表情語の中に「暗い」という語があると、その語から受けたショックによって、全体のイメージ把握に狂いが生じる場合があるからです。この傾向はネーミングや一般のことばの場合にもよくも見られます。

2005年12月09日(金)
「ア」音が作る叙情性

 
  歌謡曲は歌い始めの第一音で人気が決まるといわれています。そんな見方をしてゆくと、ヒットした歌謡曲には出だしの部分に「ア列音」がたいへん多いことに気づきます
  「歌謡曲全集」にある536曲の出だしの1音を調べてみたら、その49%がア列音で始まっていました。

  「歌謡曲の出だし拍調査」
 ア列音 264 曲 49%
 イ列音  91 曲 17%
 ウ列音  65 曲 12%
 エ列音  12 曲  2%  
 オ列音 102 曲 19%

  私は音相理論の中で、「ア列音」は「明るさ、穏やかさ、暖かさ」などのイメージを作るほか「どのような音の中にもスンナリ溶け込んでゆけるニュートラルな 性格があると述べましたが、人々を叙情の世界へ自然に誘いこむのに、ア列音のもつニュートラルさが効果をあげているからではないかと思うのです。
  そこで、古代の叙情歌だが今も人気がすたれない「百人一首」の第一音を調べてみたら、符丁を合わせかのたように、ア列音で始まる歌がやはり100首中50首…50%ありました。
  ア列音が情緒感を作るという、この仮説を裏づけるには、叙情を目的としない「軍歌」の出だしの1音にはア列音が少なくなければなりません。そこで「軍歌」を調べてみたら、やはりそこにはア列音がほとんどないのです。
 
   「ここはお国を何百里、離れて遠き満州の・・・」(戦友)・・・(オ)
  「とどろく銃音、飛びくる弾丸・・・」(軍神広瀬中佐)・・・(オ)
   「どこまで続くぬかる溝ぞ・・・」(討匪行)・・・(オ)
   「海行かば水づく屍・・・」(海行かば)・・・(ウ)
   「貴様と俺とは同期の桜・・・」(同期の桜)・・・(イ)
   「勝ってくるぞと勇ましく、誓って国を…」(露営の歌)・・・(ア)
   「見よ東海の空明けて、旭日高く輝けば・・・」(愛国行進曲)・・・(イ)
   「国を出てから幾月ぞ、ともに死ぬ気でこの馬と・・・」(愛馬進軍歌)・・(ウ)
  
  そしてまた、戦中にはやった歌でも叙情性の高い曲には、ア列音で始まるものが多いのです。

   「さらばラバウルよ、また来るまでは・・・」(ラバウル小唄)・・・(ア)
   「ああ、あの顔であの声で、手柄頼むと・・・」(暁に祈る)・・・(ア)
    「わが大君に召されたる・・・」(出征兵士を送る歌)・・・(ア)
   「朝だ夜明けだ潮の息吹・・・」(月月火水木金金)・・・(ア)

  言うまでもなく、これらは作詞者が意図して作ったものでなく、歌の雰囲気が自然に作った住み分けにすぎないのです。

  意識以前のところで人の心を操っている、「音相」という不思議な世界の存在を考えずにはおられません。
(木通) 


2006年01月16日(月)
「表情を作る音相基」 シリーズ C

 ・・・・女らしさを作る音・・・・

【必要とする音相基】
  ・総合輝性がゼロまたはマイナス指向であること
  ・逆接拍が多いこと
  ・有声音が多いこと
  ・調音種比が低いこと
  ・摩擦音系、接近音、鼻音、流音が多いこと
  ・勁性が低いこと
  ・高勁輝拍が少ないこと


【例語】 華やぎ、やさしさ、楚々(そそ)、ダイヤモンド、メルセデスベンツ、ジョイナス、ルミネ、花子、マリリンモンロー、オランジュ、トラバーユ

(注)これらの音相基は「優しさや、優雅さ、落着き感」などのほか、「ぐずぐず、地味、ぼんやり、憂鬱…など」、活力の弱さや地味さを表す語にも多く使われます。

2006年01月16日(月)
音の時代に入った「ネーミング」

 
  最近の若者たちには、漢字の読めない人が増えています。
  彼らは字が読めず意味がわからなくても、日常の会話で不便を感じることはほとんどないようです。意味はわからなくても、耳で聞く音を通してイメージで捉える感性をもっているからです。

  「不撓不屈」(ふとうふくつ)という語の場合、文字や意味はわからなくても、この語の音からうける感覚で「逞しさや活力感のような雰囲気」を捉えているのです。
  それは「ルイ・ビトン、ディオール、アルマーニ、エルメス・・」のような意味をもたない外国のブランド名が、音の良さだけで愛用されているのを見てもわかります。
  文字を中心にことばを考えてきた日本人の長い歴史で見てゆくと、ここ数十年で起こったこの現象は、日本語の画期的な出来事だったように思うのです。

  今、「チャパる」「超」「ムカつく」「チクる」など、どぎつく下卑な音を集めた日本語がはやっています。民族とともに生きてきた日本語という宝を遊び道具 にする風潮には落魄の思いを禁じることができませんが、そういう中で発見できる現代人の語音感覚の鋭さには目を見張るものがあるのです。

  昭和の初めに、モダン・ボ−イ、モダン・ガ−ルを略した「モボ、モガ」や「ランデブ−」、「銀ブラ」などが流行りました。これらの語には、若さや溌剌さや 明るさなどをまったく持たない濁音とオ、ウ列音が多いため、それぞれがもつ意味とは似ても似つかぬ暗く湿った雰囲気がありますが、そんなことばが十年以 上、気にもされずに大はやりしたということは、当時の人たちがことばの音にいかに無関心だったかを物語っているのです。
  それに比べて現代人はどうでしょうか。
  「カッコいい」「めちゃ」「激辛」「朝シャン」「ギャル」「即」など、これまでの日本語にななかった新しい概念をそれにふさわしい音で表現した優れた語が 次々と現れますし、音の響きが不自然な「ビッグ・エッグ」、「DIY(ディ−アイワイ)」、「WOWOW(ワウワウ)」などは発表になったその日から口に する人がいないのです。
  現代人は音から生まれるイメージが意味に劣らぬ働きをしていることを肌で感じて知っています。文明には後戻りがないように、日本語のこうした傾向がますます高まることは陽をみるよりも明らかです。

  これからのネ−ミング作りは、ことばの「音」の研究なしには成り立たない。もう、そんなところまできているのです。
(木通)


2006年01月16日(月)
ヒット・ネーミングは少数精鋭が作る

  
  ネーミングの良し悪しは、企業の浮沈にかかわる場合が多いため、制作には多数の関係者が動員され、長期にわたって討議されるのが普通です。
  こうした大がかりな取り組みは、「大勢を集めれば、それだけ良いものができるはず」という常識論から生まれるのです。
  だがネーミングは多数を集めればよいものができるとは限りません。多数の人の意見を入れると、発案者が捉えたみずみずしい感動や新奇さや意外性は議論の中で丸められ、常識的なものになってゆくことが多いのです。
  ネーミングを作るとき多数の人が必要なのは、素案を集めるときだけです。
  提案者が多くなるほど商品を見る切り口がふえ表現法も多彩になるため、選択できる幅も広まるからです。
  だが集まった案を絞る作業になると、幅広い商品知識と優れた感性をもった少数者で行う方がはるかに良い結果が得られるのです。
  そこに、感性面が多く含まれるネーミング作りの特殊性があるのです。
  大企業が時間をかけて作ったものより、社長以下数名の小企業が短期間で作ったものに良い作品が多いといわれる理由がそこにあるのです。
  傑作ネーミングとしてよく話題になる「コダック」(社名1888年創業)の社名は、社長イーストマン氏の個人のひらめきから生まれたことばだそうですが、 この語の音相を分析すると、「活性感、合理性、現代感、革新感、若さ」を上位におきながら「爽やかさ、優雅さ、個性感」など社業や社風を必要十分に表現し ている、まことに優れたことばであることがわかります。
  国内のネーミングにもよいものは少なくありません。
  一時大ヒットしたミニカー「チョロQ」の名がどんな経緯でできたかは不明ですが、私はそこに関係者の1人(とりわけトップ)の感性と優れた決断を感じるのです。
  この語を多勢で議論していたら「小さいことを表すためミニチョロが良い」とか「同種の商品にA、BがあるからチョロCがいい」などの常識論や理屈が出てく るはずで、それらに揉まれてゆくうちに、原案者が直感でとらえた新鮮さなどはあっさり消されてゆくのです。この語の場合もそういう過程があったことでしょ うが、それらを切り捨てて断を下した人の存在を、私は感じてならないのです。
(木通)