音相マガジン

8月の記事

2004年08月28日(土)
音数律のきらめき 〜ことば美人〜

"●音数律って何?

音数律の7音、5音の脚音とそれに続く頭音の間には、「同系の音を避ける」
という不文律があるようです。そして、これらの音の間には、対象になる関係を
作る次の特徴パターンが4点あります。

○有声音と無声音
○清音と濁音
○O

2004年08月12日(木)
●「オリンピック」を分析する

アテネ・オリンピックが今たけなわ、国中で「オリンピック」が氾濫している今日このごろですが、ことばの音を研究していると、この語がどんなイメージを人々に伝えているかが気になります。

そこで、Onsonic体験版でこの語を分析してみました。

  表情解析欄がとらえた表情は、「シンプル、明白、躍動感、若さ、はつらつ、
軽快感、現代的、庶民的」などで、どこから見ても、スポーツに相応しい音を集めたことばであることがわかります。

また「コンセプト・バリュー」欄では、男女を問わず若者に愛される音を持った
語であることを示していますし、この表では省略してありますが、「スピード感や、緊張感」を極めて高い値で訴えている語であることもわかります。

音相分析が、ことばのイメージをいかに正確に捉えた技術であるかがお分かり
いただけるのではないでしょうか。

また、この語が万国共通に愛用されているようですが、そのことは、どこの国、
どの民族でもこの語の音の音相にスポーツの祭典に相応しいイメージを感じて
いると考えてよいでしょう。

  音相の世界にはどの言語にも共通する部分が相当多くある1つの証明と
いってもよでしょう。

2004年08月02日(月)
●日本語から音相理論がナゼ生まれたのか

・・・・・可能にした4つのキーワード・・・・・


  音相理論はことばの音が作る表情(イメージ)を具体的なことばを使って
数値的に捉えることに成功した世界初の試みですが、このような理論の開発が、
なぜ日本語で初めて可能になったのでしょうか。

それは、日本語が持つ次の4つの特徴から生まれたものと思います。
  まず、日本語が文法や文の構造が精緻な言語体系をもっていること(敬語など
1部に例外もありますが・・・)と、日本語が他言語の影響をほとんど受けていない
純度の高い言語であることがまず上げられます。、
これらについては折にふれて述べたてきたので、ここではその他の理由として
さらにk2つ、日本語の拍(音節)がきわめて手ごろな数であったことと、
日本語が豊富な語彙を持つ言語であったことを述べてみたいと思います。
ことばの表情は、音の単位が基本となって生まれます。そのような単位となる
ものに、日本語には拍というのがあります。拍とは、50音図にある清音、濁音の
ほか、拗音、新子音および特殊音素などで、合計130余ありますが、それがことば
の表情を捉える単位として、極めて適切な数であったことが上げられます。

そのことを英語の例を引き合いに考えてみたいとおもいます。
  英語の拍(音節・・・Syllable)の数は極めて多く、学者によっては「1800余」、
「3000程度」、「一万位」などその数もまちまちで公表されたものはありません。

  だが音節数がこのように多くなると個々の音節と表情の関係が曖昧となり、
音節の表情が取り出しにくくなり、また拍(音節)の数が少なすぎると表情の
幅が広くなって、やはり表情の方向性がぼやけてしまいます。その点、130余と
いう日本語の拍数は表情を捉える単位として極めて妥当な数であったのです。

  音相論の立論を日本語なるがゆえに可能にした4つ目の理由として、
日本語には、意味が微妙に異なる類義語の数が極めて多いことがあげられます。
類義語の数が多ければ、多くの類義語から音のよい語がとりだせるため、
音相的な感覚が自然に生まれてくるのです。